「待ってよ、秀真!」
屋上の階段を下りたところで、やっと秀真が立ち止まる。
「……ごめん。俺なんかついムキになっちまってあんなこと……付き合ってるだなんて……」
秀真がその場に座り込んで頭を掻く。
「何かいつもの秀真じゃなかった」
「本当にごめんな」
「何で謝るの?さっきの秀真、男らしくてカッコよかったよ」
「マジ……?」
「うん」
最初はビックリしたけど、ああいう顔もするんだって意外な一面が見れて嬉しかったし。
「俺、もう一回ハルんとこ行ってくる!」
「え?行くって何しに?」
「弁解するんだよ!俺らは付き合ってないって」
「行かなくていい」
階段をまた登ろうとした秀真を、私は止めた。