「いつまでアイツのことを引きずってるつもりなのか聞いてんの」
「……え」
「俺が気付いてなかったとでも思ってんの?」
その言葉を聞いた瞬間、驚きのあまり目を丸くした。
「二人が付き合ってたことも、三ヶ月前に別れたことも全部気付いてたよ」
鋭い瞳が真っ直ぐに向けられる。
「嘘……気付いて……?」
「俺ら、幼なじみだろ?それなのに何で隠してたんだよ」
「それは……」
『俺が黙っとけって言ったんだよ』
――え?
背後から声が聞こえて振り返ると、悠がいた。
「ハル!」
秀真が掴んでいた手を離す。
悠はお風呂でも入っていたのか、髪が濡れた状態でTシャツを着ていて、首にタオルをかけていた。