―――――――…
「今日は付き合ってくれてサンキューな」
「ううん、私の方こそ映画誘ってくれてありがとう」
「すげー楽しかった」
「うん、私も……。じゃあ、また明日ね」
そう言って門に手を伸ばそうとした時。
「明里っ!」
秀真が突然、私の手を掴んだ。
「どうしたの?」
「あのさ、」
秀真はゆっくり口を開いた。
「明里がハルのことを好きっていう話のことだけど……何でアイツなわけ?」
「何でって……理由がなくちゃいけない?人を好きになるのに理由なんて要らないじゃん」
「俺が聞きたいのはそういうことじゃない!」
掴まれた手に力が増し、顔を歪める。