「明里は昔からそうだ!三人で居てもいつも“悠、悠”って……。今だって俺と一緒に居るのにハルのことばっかり」
「……ご、ごめんっ」
悪気があったわけじゃない。
無意識だ。
「いいよ、俺だって馬鹿じゃないから分かってるし」
秀真はクレーンゲーム機の台に手を付いて言った。
「――好きなんだろ?ハルのことが」
「何言って……」
不意のついた言葉に私は動揺を隠せなかった。
「隠しても無駄。ハルを見る明里の目は好きな奴を見つめる目をしてるから」
「――お願い……絶対に……、絶対に悠には言わないで」
気付かれないように隠してたのに、それは“つもり”でしかなかった。
やっぱり秀真には、見透かされてしまっていたのだ。
「言うつもりはないよ?ただ、彼女の居るアイツなんか想い続けても報われないことぐらい知ってんでしょ」
「分かってるよ、そんなの。でも……」
好きなんだから諦めるなんて出来ない。
私はずっと、悠のことしか見えていないんだから――…