「もらっていいの?」
「だってこれ、俺が持ってたら変じゃん。明里にあげる為に取ったんだよ」
「ありがとう、秀真」
そういえばずっと前に、誰が一番最初に取れるか三人で勝負したことがあったな……
確かあの時も秀真が一番早かったんだっけ。
――何か寂しい……
「明里、今何考えてる?……もしかしてハルのこと?」
「えっ」
俯きかけていた顔で秀真を見上げると、何処となく不満げな様子を見せていた。
「……な、何……で?」
秀真から視線を逸らし、貰ったぬいぐるみを見つめる。
「ほら、図星だ。本当のことを言われると目を逸らす癖があるって自分で気付いてないの?」
「……っ」
「何年一緒に居ると思ってんだよ、俺ら。幼なじみなんだから明里のことなんかお見通しなんだよ」
そう言って秀真はため息吐いた。
「どうせ三人で遊びに来た時のことを思い出してたとかだろ?」
――何でそんなことまで分かってしまったんだろう……