「どう見ても、掃除してないわよね?」
「ううっ……」
何故、移動してる!
ラブラブするなら、あのまま屋上に居ろっ!
「嘘じゃないわよ!ちゃんと屋上まで呼びに言ったもん」
「ふーん?じゃあ、本当かどうか確かめてくるわ」
祐実は疑いの目を向けてそう言うなり、手に持っていたホウキを私に渡すと階段を下りて行った。
「今野くん」
声に気付いた悠は、“何?”と祐実の顔を見上げる。
「さっき明里が今野くんを呼びに行ったはずなんだけど……」
すると悠が首を少し横に傾け、駐輪場に突っ立っていた私を見つける。
そしてフッと笑うと、口を開いた。