「今まで何処をフラついてたのよ!」
「ご……ごめんっ。クラスの子に頼まれて悠を呼びに行ってたの」
と両手をあわせて謝る。
「で?ちゃんと呼んでこれたわけ?」
「う、うん……まあ……」
シドロモドロになりながら、ニコッと笑って見せる。
確かに呼びには行った。
だけど先に一人で屋上から逃げて来ちゃったから、その後悠がどうしたのかは分からない。
「呼びに行ったのなら、何で今野くんはあそこでサボってんのかな?」
……へ?
祐実は“ん”と人差し指をすぐ傍の体育館へ向けた。
さっきまで屋上に居たはずの悠と彼女が、今度は体育館前に座りながら喋っていたのだ。