「何言ってんの?」
「だーかーらっ!アンタはどっち狙いなわけ?」
「どっち狙いでもないし!っていうかずっと気になってたんだけど、何で彼女持ちの悠までモテてんの?!」
「今野くんの彼女ってどう見ても“普通”でしょ?だからみんなはまだ自分が彼女になる可能性があるって思ってんのよ」
ふーん、そういうもんなんだ?
「大変ね、モテる幼なじみを持つと」
「別にそうでもないけど……」
『あーかりっ!』
さっきまで女子の輪の中に居た秀真が、両手いっぱいにお菓子の入った袋を抱えて、いつの間にか私の目の前に来ていた。
「もしかして、また持ってこなかったわけ?」
目の前で私を見下ろす秀真にそう聞くと、“うん”と頷き返してきた。
“ハァ”とため息吐きながら、自分のカバンから紙袋を取り出すとそれを秀真に渡す。
「さんきゅ」
と嬉しそうに受け取ると、その中に彼女たちからもらったお菓子を詰めこんだ。