「さっきの……」


シャリ、っと靴が擦れる音が聞こえ、それはゆっくりと近づいてきた。


「俺が好きって何?」


そう聞かれ、身体中が震えた。


「勝手に立ち聞きして悪かった。でもどうしても確かめたくて」

「……っ」

「明里」


名前を呼ばれて顔を上げると、目の前には悠の顔があった。


「黙ってないで、俺の質問にちゃんと答えてほしいんだけど」


少し複雑そうな……、だけど真剣な表情を浮かべた悠を見て


「私は……」


ようやく口を開いた。


「悠と別れた今でもずっとずっと、気持ちが消えなくて……」


自分の気持ちが上手く伝えられるか分からない。

けれど向き合おうとしてくれている悠に、今思っていることを全部ぶつけてみよう……。