「秀真の気持ちにはこれからもずっと答えることは出来ない。秀真は大切な幼なじみなの。だから……」
「……んでだよっ……何でなんだよっ……!」
――ガシャンッ!
「……っ」
追い詰められた衝撃で背中に痛みが走る。
「何で俺じゃダメなんだよ……」
フェンスに手を付けて、秀真が悔しそうに声を震わせる。
「俺の方が何倍も何十倍も明里のことを幸せに出来るって言ってんのにっ……」
「ほづ――…」
「俺を見ろよっ……!」
そう言って顔を近づけると、そのまま強引に唇を奪った。
「んんっ……!やめっ……」
体を離そうと両手で秀真の胸元を押すが、その手を簡単に取られてしまう。
「こんなに好きなのに何で俺じゃないんだよっ!」
唇を離すと、秀真は私の手首を力強く握りながらそう吐く。
見たこともない表情。