保健室を後にした私が最初に向かったのは――…


「秀真」


いつものようにそこに寝そべる秀真の所だった。


「祐実ちゃんに話せた?」

「うん。祐実に背中押されてここに来たの」


私がそう言うと、秀真は起き上がって立ち上がった。


「聞いてほしいことがあるんだ」

「……何?」


秀真は持っていた携帯をポケットに突っ込んだ。


「何かあるたびにすぐに秀真に泣きついて、その優しさにずっと甘えてた。でもその所為で秀真を傷つけていたんだよね。本当にごめん……」

「何で謝るんだよ……」


秀真は背を向けたままそう呟く。


「秀真に好きだって言われて本当に嬉しかった。……だけど、」


今まで曖昧にしてきた自分の気持ち。

怖くてずっと言えなかった言葉――