「はあ……ダメだな」


もう少し強くならなきゃって思うのに、悠のことになるとすぐに弱くなる。


泣いてばかりいても、どうにもならないのに……。


「明里」


数分してすぐ、秀真に呼ばれた祐実が顔を出した。


「あれ?秀真は?」

「私を呼びに来て、そのまま何処かに行ったけど。“女の子同士で話したいだろうから”って気が利くじゃん」


祐実は笑いながら、空いている丸椅子に腰かけた。


「梨花さんに気持ちがバレちゃった」


さっきのことを祐実に話すと、彼女は呆れたように腕を組んだ。


「残酷よね、アンタ」

「え?私?」

「アンタさ、全然気付いてないの?立川くんに頼れば頼る程、彼の心を傷つけてるってことに」

「……あ……」

「平気なフリしてても本当は凄く辛いと思う。だって自分の好きな女が自分以外の男を見てるんだよ?その辛さはアンタだって十分分かるはずでしょ!」


――そうだ……。

私、何してるんだろう……。