悠が居なくなり、梨花さんと二人っきり。
今まで体験したことのないような緊張感。
「悠には手を出さないでもらえないかしら」
梨花さんは少し強めの口調でそう言った。
「私は別に……」
「手、出してるじゃない。悠にキスしたんでしょ?」
「えっ、何でそれを?」
「……やっぱりそうなのね」
そう言われて、カマをかけられたのだと気づく。
「今朝から悠の様子が可笑しくて、唇触りながらずっと何かを考え込んでた。だからもしかしてって思ったの」
「……っ、ごめんなさい」
ただ、謝ることしか出来なかった。
「キスしたってことは、やっぱりまだ悠のことが好きなのね。まあ、あなたと接触するようになってから、薄々はそうなんじゃないかって感じてはいたけど」
「……っ」