「ここ空いてますか?」

「ああ。」

「じゃあ、すみません。」

彼女はとなりに座った。
本当なら喜んでもいいところだが、この車両は自由席でしかもまわりの席は空いている。

『どうしてとなりに来たんだ?』
『俺に一目惚れしたのかな?それとも“スリ”か?』

そんな訳の解らないことを考えていた。