やっと切り終わった俺とハル兄…。



俺が切るみたいな切り方…。



きっとこれは水木家のセンスなんだろうな…。



「ナツ!!カワイイ?」

「可愛くない。」

「えっ…。」

「帰るよ。ハル兄のバーカ!!」



親父に断りを入れてから店を出た。



しょんぼりしたような顔で俺の後ろをついて来る乃彩…。



超ヤキモチ…。



「乃彩、マジムカつく。」

「ごめん…。」

「何で俺以外に切らせんの?」

「だってお兄さんだし…。」

「マジ妬ける。乃彩の髪に触れんのは俺だけでイイ。」



振り返って乃彩の髪を手に取った。



兄貴に妬くとか有り得ねぇ~…。



「ごめんなさい…。」

「あっ!!違う…。俺がごめん…。めっちゃ妬いた…。そんな束縛みたいな事したくないし!!ごめん…。」



何だか気まずい空気…。



最悪…。



でも自分の気持ちにウソを着いてる…。



本当はイヤだ…。



乃彩に触れんのは俺だけでイイ…。