愛芽には用事が出来たとメールを入れて隼人さんに教えてもらった住所に来た。



このマンションが…。



『水木』



そう書かれた表札の前で足を止めてインターホンを押した。



出て来ない…。



もう1回押した。



「舜太…。」

「入れて。」

「ヤダ…。」

「友達も拒否する気?」

「………入って。」



会いたくなかったって顔…。



世話がやける…。



「ナツ君、俺だけ勝手に友達だと思ってた?」

「そんな事ないけど…。」

「じゃあイイや。久しぶりに会ったんだから一緒にメシでもどう?」

「乃彩の話ししないなら行く…。」



しねぇよ…。



最初からそのつもり。



着替えたナツ君と一緒に部屋を出た。



部屋を出る時に見たベッドの横にあったあの薬は…。



睡眠薬だ。



兄貴が社長になった時にプレッシャーのせいで眠れなくて飲んでたのと同じ…。