冷たい目と低い声…。



「俺だって胸張って乃彩の彼氏だって言いてぇよ!!なのに何で他の奴が彼氏とか言われてるわけ!?」

「ごめんなさい…。」

「ごめんじゃわかんねぇ!!離れてる時はそれだけで不安になんのに…。何があったかちゃんと話せよ!!」



ナツ君があたしに怒鳴るのは初めての事だった。



ナツ君の苦しい表情…。



「好きだって…言われたの…。」

「で?」

「ちゃんと断った…。」

「乃彩、悪いけど帰るわ。明日からまた海外だしいろいろ準備あるから。」

「待ってナツ君!!」

「ごめん、今は乃彩の事信じらんない。」



パタンと閉まったドアを見つめながら動けなくなった。



『信じられない。』



ナツ君の言葉が頭をグルグル回る…。



あたしがウソ着いたから…。



ごめんナツ君…。



「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか…」



ナツ君…。