ジュースをくれたナツ君はあたしの横に座って頭を撫でた。



言ってイイのかな…。



「あたしね、岸本先輩って人に告られたの…。でも前に振ったんだけど…。」

「うん。それで?」

「その弟が同じクラスであたしの隣の席なの…。」

「うん。」

「弟にも告られたよぉ…。」

「はははっ!!兄弟で趣味似過ぎだから!!」



ナツ君は笑うだけでそれ以上何も言わない。



怒ったりしないんだね…。



「ナツ君はイヤじゃないの?」

「まぁ妬けるよね。でも好きになる気持ちは止めらんないし。学校の乃彩とか俺知らないしさぁ~…。でも今日制服。」

「制服好きなの?」

「乃彩の制服姿はイイ…。」

「親父くさいよぉ…。」



ナツ君が頭を撫でてくれる手が優しい…。



この手に変えられるものはやっぱりナイよ…。



「キスしてイイ?」

「イイです…。」



そっと頬に触れるその手も大好き…。