それからも至る場所でナツ君の荒れてた時代の痕跡を発見…。



壁に穴が空いてる…。



「昔はホント手が付けられなかったのよ~…。なのに急に高校3年生の冬!!『美容師になる』って言い出して…。」

「だからそれはただ家出て都会で暮らしたかっただけって言ってただろ~…。」

「いつの間にかなまりも消えちゃってさぁ~、何都会人ぶってんのよあんた。」

「別に変わってねぇよ!!」



ナツ君、何気にイントネーションが変わってるのに気付いてるのかな…。



お母さんと同じ喋り方…。



「ってか俺ら今から出て来るから。」

「ご飯は?」

「帰って来てから食う。行くよ乃彩。」



どこに!?



何も聞いてないあたしはナツ君に連れられて車に乗せられた。



「うるさいでしょ~…。」

「明るいお母さんだね!!」

「ただの世話焼きオバサンだから…。」

「それよりどこに行くの?」

「友達に会いに。って乃彩平気?」

「うん。」



ナツ君の地元の友達…。