ガチャ


見た目豪華な扉を開いて、ヴェッカーに中に入るよう指示する。

オロオロと彼は部屋へ入り、周りを見回し、へぇーと声を漏らした。

それから、考えているポーズをし始める。


「何してんの?

立ち止まられると、進めないんだけど」


もうすぐリビングルームだというのに、その寸前で立ち止まられて困る。

これじゃあコイツが邪魔で入れない。

立ち止まるなら、もう少し進んでから止まりやがれ。


「なーんか意外だな」


「は?何が」


「いや、お前さクールじゃん?見た目とか中身とか。

すっかり部屋の中も黒い感じなのかと思ったけど、意外と白が多い部屋で清潔?」


「...悪い?

ていうか失礼」


「うぉっいってェ!」


背中を蹴り飛ばし、無理やりリビングルームに入った。

ヴェッカーは床に顔から倒れ込み、そのまましばらく動かなくなった。