コツコツ


長い廊下を歩いていると、突然目の前に私の通りを塞いでくる足が現れた。

立ち止まり横を見てみると、もうため息しか出てこなかった。


「ヨォ。元気にしてたかー?」


そこに居たのは、私と同じ歳の男"ヴェッカー"だった。

彼は昔からの知人であり、私と同様殺し屋。

自身の頭を何度も触っていることから、金色のチクチクとした髪が彼なりのチャームポイントなんだろう。


「相変わらず元気だね、ヴェッカー」


「そう言うレイは何か元気なくね?

また殺しの仕事が来たー...とか!!」


「うるさい、まぁ正解だけど」


「うおッ!!やっぱりー!!」


指をパチンと鳴らし「俺ってマジすげー!!」と言う彼にテンションがついていけず疲れが倍増。

「はいはい」と答えてから、再び歩き出す。