「あ、それよりもうすぐ到着しますよ。

場所はえーっと、"中部国際空港"です」


「随分と文字の多い場所だこった」


アハハ、と苦笑いをするラミス。

美しい茶色の髪を耳にかけている動作が、もはや私より2歳年下に見えないほど大人っぽく見えた。

ちょっと嫉妬してしまう部分もあるな。


ポーンと機内で音が鳴ると、間もなく日本に到着します、と放送が流れた。

シートベルトをしっかり固定してあるか確認し、ラミスに自分の座席に座るよう指示を出す。

そして1人だけの空間になった時、今までの暗殺の仕事のことを思い出した。


赤黒く飛び散る液体。

床に転がる二度と動くことのない物体。


あぁ、私はまた人を殺すんだ。

また、過ちを犯す...。


ギュッと拳を握りしめると、自分は殺し屋だから仕方ない事だ、と何度も自分の中で言い聞かせた。

そして、飛行機は日本へ到着をした。