「つーかさ、また怪我して帰ってくんなよ」


頭を鷲掴みされ、顔を見合わせながら言われた。


怪我って...。


「し、しょうがないじゃん。

殺し屋も命狙われる身なんだからさ」


そう、殺し屋は命を狙うだけでなく狙われる身でもある。

だからここに帰ってくる時には大体怪我をしているのである。


私はそう答えると、彼はムスッとした表情になり、私の頭を掴んでいた手を離した。

それから私から離れて、視線を逸らす。


「...まぁ、そうだよな。うん」


「変なの」


壁にかけてある時計を見てみると、短い針は4を指していた。

ここから自分達専用の飛行機場まで車で約2時間。

荷物も積まなければいけないから、少し早めについた方がいい。


そろそろ出ようかな。


私はソファから立ち上がり、たくさんの荷物の入ったカバンやキャリーバックを手に取った。