「りーんっ!」


お昼休み

友達の高木愛(たかぎ あい)が
ニヤニヤしながら名前を呼んだ


「え、何?」

「今日も立派なニヤケっぷりだったよー」

「なっ!何言ってんの!
だいたい、愛の席、小野君の横じゃん
私の顔、見てなかったでしょ?」


そう、羨ましいことに
愛の席は、彼の横なのだ。

更に彼女、すごく可愛くて賢くて
時々、小野くんと話しているのを見るのだが、難しそうな話を
楽しそうに話している姿は
私の心を、締め付ける
こともある


「あ、バレた?
でも見てたでしょ?」


「ゔっ………
ま、まぁね…………」

「やっぱりー
でもほどほどにね。
どうせ告白する勇気なんてないんだし
そのうち誰かに取られるに決まってるし」

「あ、そうだね…あはは」


キーンコーンカーンコーン

「チャイムなったから
戻るねぇ」

「うん……」


愛は時々、私の胸に
大きな針を刺してくる
自分でもわかっているが、あそこまで強くいわれると
いくら私でも、気づく…


「はぁ……………」


溜息が自然と出た