「あ」
「あーっ!泉、お前ーどこ行ってた!ちゃんと学校来いよ!」
『ふぁあっ、ちゃんと学校には来てるんだけどなぁ』
入学式ぶりに見た彼はやっぱり眠そうだ。
「学校に来ても、授業に出ないと意味ないからな!桜井、泉が来たから二人でスケッチしろよ〜」
怒ってるけど、すごく嬉しそうだね先生。
「はーい」
前の二人にお礼を言って彼と向き合った。
初めてしっかりと顔を見た。黒髪でサラサラな髪の毛に、ほんの少し垂れかかった二重の目。そして見るからに眠そうな彼。
ヤンキーだとかチャラそうだとかは全然ない。
「あの…」
『ん?あぁ、スケッチ?好きにやっていいよ。』
いやいや、そういうことじゃなくてさ
「泉くんは描かないんですか?」
『え〜、めんどくさいなぁ。俺の分も代わりに描いてよ』
「それは嫌ですね。」
いじわるだなぁと言いながらもスケッチし始めた彼に私はごく普通の疑問を問いかけた。