「ちょ、ちょっと待って! 人と組んでやるなんて俺聞いてないよ!?」
 いきなりの展開に、思わずタメ口になってしまう俺。
「お主が全て聞く前に引き受けたのじゃろう?」
「……ゔっ……たしかにそうだけど……」
 誰かと組んで仕事をするというのは、お互いの考え方だったり、ましてや今回は魔族相手なので、各々の戦い方などが戦況を左右したりする。
 これが気心の知れた仲間ならまだしも、見ず知らずの相手と組んで魔族と戦えというのは、相性が合えば心強くなるが、相性が悪ければ命の危険性が高まる。
「まぁ、二人で魔族討伐に成功しても、依頼料はちゃんと二万モルずつ払うから問題なかろうて」
 そういう問題なのだろうか……だけど、今さら断る訳にもいかないし……
「わ……わかりました……がんばります……」
 俺は涙ながらに頷くしかなかった……