「ず……随分遠いですね……」
「まあ、最近襲われたのがその街なのじゃから仕方なかろう」
「まぁそうですけど……で、他には?」
 他に面倒なことがあったら嫌だなぁ……とか思いつつ聞いてみると、
「うむ、あとはこの方と共にアボットに向かってくだされ」
「この方?」
 この方って一体誰?
「クーガ殿!」
 バラックさんが後ろの方に向かって声を上げる。
 ――すると、後ろの方のテーブルから一人の男が近づいてきた……
 長身で少し長めの茶色い髪。中性的でありながら男らしい顔立ち。剣士だろうか、軽装鎧(ライトメイル)に長剣を携えていて、意外と筋肉質である。
「クーガ=ファレスです。はじめまして」
 そう言って、クーガと名乗る男は、バラックさんの横に佇む。