そういえば、そんな話をちょっと前に聞いた気がする。
 この国の国王は、なんとか和解に持ち込みたいと思っているとも聞いたけど……
「じゃから、こうしてわしも含め、他の街でも、それぞれの領主が使いを出して、魔族討伐に向かってくれる者を探しているんじゃよ」
「でも、魔族討伐なんて、普通の魔道士や剣士なんかじゃ無理なんじゃない?」
 魔族の名は伊達じゃない。ちょっとやそっと実力があるくらいでは、まったく手が出せない存在なのだ。
「じゃからこうして話をして、自信のある者だけに頼んでおる」