他の街で魔族討伐の依頼を受けた人達かな?
 俺がそう思って見ていると、二人は俺達から少し離れた位置で立ち止まった。
「……ここですか……」
「こんな村にいるのかよ?」
 青髪のつぶやきに、いぶかしげな表情をする金髪。
「とりあえず、アボットの街ほどではないでしょうが、万が一ということもありますし」
「まぁいいや。
 ――おい、そこのお前ら! ちょっと聞きてぇんだが……」
 やたら偉そうな態度で、俺達に声を掛ける金髪。
「この村に魔力の強い魔道士はいるか!?」
「……知らねぇよ」
「――んだとっ!?」
 俺がぶっきらぼうに答えると、案の定キレる金髪。
 ……気の短い奴……
「こっちが下手に出りゃ、つけ上がりやがって!」
 ……いつ下手に出たよ……
 これだからバカな奴は、困り者である……
 すると、青髪が金髪を手で制して言う。
「私の連れが、大変失礼をいたしました。
 お尋ねしたいのですが、こちらの村に、魔力の強い魔道士の方はいらっしゃいますか?」
 こちらはやたらと丁寧な言葉と態度である。
「いや、まぁ、俺達もさっきこの村に来たばかりだから、ちょっと分からないです」
 それに答える俺。
「――なっ! なんでシュレには、ちゃんと答えるんだよ!」
 ……こいつ、自覚も何もあったもんじゃないな……
「なるほど。
 では、やはり探してみないと分からない、ということですね……
 ――ところで、あなたも見たところによると魔道士のようですが」
「ご覧の通りね。
 ところで、一つ気になることがあるんだけど、聞いても良い?」
「はい、何でしょうか?」
 俺は、声を掛けられた時から気になっていた疑問を口にする。
「何で、ただの強い魔道士じゃなくて、魔力の強い魔道士を探してるわけ?」