「ちょ――ちょっと! その呪文は!」
 俺がそれに気付き、止めようとしたが、魔族の魔力球の余波で、思うように前に進めない。
「――死ね!」
 叫び声と共に、魔族が巨大な魔力球を放つ!
 それと同時に、クーガも魔術言語を口にする!
「ディバイン・ブラスト!(神怒光爆)」
 赤い光が魔力球に向かって突き進む!
 そして魔力球に衝突した瞬間――
 魔族のいる方に向かって大爆発を引き起こす!
 そして爆発は、そのまま魔族を巻き込む!
 ぐるぉおおおぉぉぉぉ……
 魔族の断末魔が聞こえたが、それも爆発の音によってかき消される。
 ――爆発がやむと、魔族のいた辺りには、大きなクレーターだけが残っていた。
「――こんなもんかな」
「『こんなもんかな』じゃなーい!」
 何が? といった顔で俺を見るクーガ。
「これどうすんだよ! こんなにしちゃって!」
 俺はクレーターを指差しながらクーガに詰め寄る。
「……何か問題でも……?」
 しれっとした顔をして首を斜めに傾けるクーガ。
「問題大アリでしょ!
 とにかく――逃げるぞ!」
「え――ちょ、ちょっと待てよ」
 俺はクーガの手を引き、街を後にした……