「魔族と戦ったことあるの?」
「まぁ何度かな」
「一応言っておくけど……魔族には、魔力のこもった魔法剣か、召喚か神聖魔法しか効かないからね」
「分かってる……」
 魔族は成長すると、膨大な魔力のせいか、その肉体が物質ではなく魔力で構成されるようになる為、物理的な魔法や武器が一切効かなくなる。
「何ごちゃごちゃ言ってやがる。
 低能な人間風情が、この俺様にたて突こうってのか?」
 小ばかにしたようにニタリと笑う魔族。
「まっ、低能かどうかは、俺の実力を見てから言って貰おうか」
 腰から剣を抜き、魔族目掛けて走りだすクーガ!
 その行動に、魔族は嫌悪の表情を見せる。
「――この俺様に剣を向けたこと、後悔させてくれるわっ!」
 そう言うと、右手に魔力塊を生み出し、投げつける!
「ハッ!」
 それを気合と共に魔法剣で霧散させるクーガ!
「チッ!」
 すると、魔族が上空に飛び立った。
「ハハッ! これで剣は届くまい!」
 勝ち誇ったように叫ぶ。
 そこへ、クーガの声が響き渡る!
「ドライブ・ブレス!(破邪烈波)」
 光の衝撃波が、魔族を襲う!
「くっ!」
 光の波に飲まれ、その衝撃に耐え切れず背中から墜落する。
 そこへすかさずクーガが剣を振りかざす!
「くそっ!」
 そうはさせまいと、魔族は目の前に魔力球を出して解き放つ!
 大きく後ろへ跳び、それをかわす。