「――これ以上進めない!?」
 突然車掌に言われた一言に、俺は車掌の肩を掴みながら前後に揺らす。
「そ……そうなんです……つい二、三日前に魔族に線路を破壊されてしまった模様で……」
 アボットまであともう数時間というところで、俺達は立ち往生していた。
「模様で……じゃないでしょ! それくらい、出発する時に分からなかったの?」
「そ、それが……魔族の襲撃で、街も駅も混乱状態にあって、連絡がこちらにきてなかったものでして……」
 今俺達はアボットの一つ前の駅にいるのだが、どうやらこの先の線路が破壊されていて、これ以上列車で先へ行けないらしい。
「うーん……どうする?」
 俺は脱力しながら、クーガに聞いてみた。
「歩くしかないんじゃないか?」
「やっぱそれしかないかぁ……」