「それで……俺達はどこに向かってるんだ?」
「術法列車の駅。アボット行くには列車乗らないとねー」
 術法列車とは、魔力を使って走る列車のことを言う。
 レンガ造りの家や露店が立ち並ぶ街の大通りをしばらく歩くと、駅が見えてきた。
 そして駅の中へ入ると、そこにはダークブルーに輝く術法列車が壮大に佇んでいた。
「アボットまで、列車で二日ってところかなぁ」
 切符を買い、アボット行きの列車に乗り込む。
 そのまま俺達は、二段ベッドとテーブルがあるだけの、小さな部屋に腰を落ち着ける。
「さて、それじゃあアボットの街へ向かいますか!」
 俺の気合が、小さな部屋の中で響いた。