「___ 優香のことは、翔から聞いてたよ。」



「えっ、翔ちゃんから?」



うん、と彼 __ 拓海は頷く。




「翔さ、めっちゃ嬉しそうに話してたよ、毎日。『御見舞に来てくれるいい子なんだ~少しでも学校に通えるのはあの子のおかげなんだ~』って」




涙が、溢れそうになった。





「...恋愛感情で、好きだったかは分からないけど__ 友人としては、確かに好きだったと思う」





私はもう、その言葉を聞けたら充分だった。





「__ 双子って、好きになる人も似んのかな」




「___ えっ?」




不意を突かれて、ばっ、と上を向く。




「オレ好きだよ。優香のこと。オレの事そこまで考えてくれる人初めてだから」





ぷっ、と吹き出してしまった。





「も~、そういう冗談いいから~。」





拓海はぽかん、というような呆けた顔をしている。変なものでも食べたかな?




「今の内は、冗談でもいいよ」




低く、囁くような声がどこからか聞こえた気がするが、それは風の音と一緒に消えてしまった。