「...おはよ」


どうやら公園のベンチで寝てしまったようで、寒くて朝早く目が覚めた。


「お、おはよう!え、」


私の体には、掛けた覚えの無い毛布が掛かっていた。


「...寒そうだったから」


「あ、ありがとね」


なんだか気恥ずかしくなってしまって、私は目をそらした。


「あ」


「__ あのな、」



___ 同時に、口を開いた。



「...翔じゃないって...言ったよな」



私は頷く。



「オレ、『翔』として生きてきたんだ」



___ 彼は、私と同じぐらいの小柄な体で。



その小さい肩を震わせて、それでもはっきりとそういった。