カランコロン、と耳に楽しい鈴が鳴る。


「お義母さん、ただいま」


「あら真理さん。おかえりなさい」


おばあちゃんは、ゆっくりしていってね、と微笑む。


私も思わず、顔をほころばせた。


「あ、翔くんね、もうすぐくるみたい」


私が聞く前に、おばあちゃんは嬉しそうに立ち上がった。


「パーティするからごちそう作らないとね」


「あ、お義母さん私も手伝います!」



____ 私の体、全部が脈打っていた。


同じ、名前の人に会うだけなのに。


_______ 思えばこの時から、私は分かっていたのかもしれない _______ 。


カランコロン、と鈴が鳴り_____ 、私は小さい頃から大好きなその音を聞き、玄関に顔を向ける。


「____ 翔ちゃん?」


「___え、優香 ___」


ちゃ、と翔が低く唸り、その腹にはおばあちゃんの肘打ちが決まっていた。

「ミヨちゃん!!!さあさあ上がって~!」


おばあちゃんが、『ミヨちゃん』なる人物と話している間に __、
私と翔は、外に出た。




田舎の街を、駆け抜けた。




私の手をしっかりと掴む翔の汗ばんだ手は、翔にそっくりだった。