「ねえねえねえ、そっち行こ!」




「おい、ちょっと待てよ!お前どんだけ食いたいんだよ」




「はい、焼きそば。次たこ焼きだからよろしく」





夕方。荷造りが終わった途端に私は大人達から除け者にされてしまい、近くの神社でやっている夏祭りに行く事にした。



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「拓海も暇してるんだったら...夏祭り行こうよ」





と震える声で誘うと、軽い調子で





「おう、行くか」




と拓海は立ち上がった。





____ 嬉しいんだけど、なんだかドキドキして、私は拓海の背中を叩いた。



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「...勘弁してくれよ、もうオレ手一杯だよ」




「なっさけないなあ、それでも男なの!?」




仕方ないから半分持ってあげる。そう言ってとったのは大好物ばかり。




「あ、それオレが狙ってたたい焼き!」





___ こんな調子で告白なんてできるのかと、自分でも心配してしまうが、どうにも勇気が出ない。





「わがままなやつ~じゃあ半分あげよう」





3分の1ぐらいにしたたい焼きを差し出すと、拓海はさんきゅ、と溢れるほどの笑みで受け取った。






______ これ半分じゃないだろ!とか言うと思ってたのに...







不意打ちの笑顔は、ズルいと思う。