「おーい、優香!」



「待ってよたっくん~」



拓海のお母さんが拓海のことをたっくんと呼んでいたことをいじっていたら、すっかりこの呼び方で定着してしまった。



「止めろよなそれ」




「え、なんでよ~かわいいじゃん」




「なんか翔もあだ名で...似てるし」




「そこがいいんじゃんよ」




「尚更やだっての。翔と同じだといつまでも重ねてしか見てもらえない」



ぷ、と少しむくれる。




「え、ナニソレ。私がそんな女だと思ってたんだあ!?」




「だってオレのほう向いてくれねえだろ?」




「...うるさいなあ!今向いてるじゃん!?すんごい向いてるなあこれー!すごいなあー!うおーーー!!、」



「...今お前相当酷い顔してるぞ」



「ふーーんだ!」




____ 変な顔をしたのは、顔が赤くなったのを知られたくなかったから。




全然、勇気が足りない...。