入学式が行われる体育館に入ると本当に一番前の4つの席が確保されていた。


「颯太さん.恭一さんありがとう♪
本当ここなら翼が良く見えます。」


「だろ?(笑)カメラもビデオも俺達がちゃんと撮ってやるからな!!」


恭一さんのテンションがどんどん高くなってる。(笑)


いよいよ翼の入場…。


一年一組


翼のクラス。


少しハニカミながら女の子と手を繋ぎながら入場して来る…。


色々な事が走馬灯の様に思い出されて目頭が熱くなった…。


そんな私の手を斗侑真はそっと握ってくれる。


翼が私達の前を通り過ぎた時.涙が一気に溢れ出す。


「グスン…ツッ…大きくなりやがって…。」


「恭一!!…ちゃんと…翼の晴れ姿…撮ってんのか?グスン…ツッ…。」


「悪い…涙で前が…見えねぇ…颯太お前が撮って…やってくれ!!…なんだよ…お前も泣いてんのかよ!!」


斗侑真の隣で颯太さんと恭一さんが号泣している。


余りの号泣ぶりに私の涙も止まってしまった。


「楓…こいつらうるせぇ…。何しに来たんだか…。」


「男の人の号泣してる姿初めて見た…。」


「ビデオ…こいつらの泣き声しか入ってねぇだろうな。」


「だね…。」