「この子は私のお願いを聞いてくれたんだよ…。
斗侑真が目を覚まさなかった時に私…不安で…この子にお願いしちゃったの…。
パパを助けて…って。」


「なんか本当に不思議だな…。
夢を見ていたんだろうけど凄くリアルだったんだ。」


斗侑真の不思議な体験を信じるのは私達しかいないだろう…。


でも本当にこのお腹の子はパパを助けたくて頑張ってくれた。


小さな小さな命は大きな力を発揮してくれた。


斗侑真と手を重ねてお腹に触れる。


「パパを助けてくれてありがとう…。
元気に産まれて来てね…。」


するとお腹から温もりが伝わってくる。


「楓…感じるよな?」


「うん…。感じる。」


「スゲェ…。」


「本当にこの子は天使だね…。」


「あぁ。俺達の宝物だ。」


私達はずっとお腹に手を添えて幸せを噛み締めていた。


斗侑真と出会って初対面の印象は最悪で…大嫌いって何度も思ったっけ…。


そんな顔も見たくなかった斗侑真に私は一晩で恋に落ちた。


今までに感じた事の無い愛おしいと思う気持ちを斗侑真に感じた。


もう斗侑真以上に愛せる人なんていない。


斗侑真…幸せになろうね。


愛してるよ…。