「楓…?どうした?」


「動いた…。赤ちゃんが動いたの!!」


「……赤ちゃん…!?」


「斗侑真…お腹に私達の赤ちゃんが居るの…。」


「本当か…!?」


「うん…。斗侑真はパパになるんだよ。…嬉しい…?」


斗侑真の目から涙が流れ落ちた…。


斗侑真は流れる涙を拭おうともせずに私に言ってくれたんだ。


「楓…ありがとう…。
俺…パパになるんだな…。
こんなに感動したのは生まれて初めてかもしれない。
嬉しいよ…。スゲェ嬉しい…。」


そう言って私のまだ目立た無いお腹にそっと触れる。


「元気に出て来いよ…。
パパもママも楽しみに待ってるからな…。……天使。……まさか…。」


斗侑真は何かを思い出した様に呟いた。


「天使…?」


この後.斗侑真は体験した不思議な話しを聞かせてくれた。


お母さんと出会って話した事。


眠っている間ずっと天使が自分の側に居た事。


その天使が私へと続く扉に導いてくれた事。


「その子が扉の前で言ったんだ…。またすぐに会いに行くから待っててね。って…。」


「じゃあ…この子が斗侑真を助けてくれたんだね…。」


「こんな事があるなんて…。信じられねぇ…。」