「楓…楓…!!」


「緒方さん…?緒方さん!!
意識が戻ったわ!!先生を呼んで来てちょうだい!!」


「楓…楓は…?楓に会いたい…。」


「観月さんですね?すぐに呼んで来ますから…誰か!!すぐに観月さんの病室に行って呼んで来てあげて!!」


「楓は…楓は大丈夫ですか?」


「えぇ。少し手首の傷が深かったんですが。
大丈夫ですよ…。毎日.ここに来て緒方さんの手を握って話し掛けられていたんですよ。」


確かに感じた楓の温もり…。


「緒方さんの意識が戻ったって!?」


「先生!!…はい。意識もしっかりなさっていて…脈拍も安定しておられます。」


「そうか…。良かった。緒方さん.もう大丈夫ですよ。
観月さんがとても心配なされてました…観月さんをお呼び…」


「斗侑真…。」


「来られたみたいですね(笑)まだ意識が戻ったばかりですから…あまり無理はなさらないように…。
君…僕達は少し席を外そう。では…緒方さん後ほど伺います。」


先生が私の横を通り過ぎて行く…。


「観月さん…良かったですね。もう大丈夫ですよ。
報告しないといけない事があるでしょ(笑)早く緒方さん所に行ってあげて下さい。」


「はい…。有難う…ございます…。」