「ごめんなさい…。大丈夫です。」


斗侑真…早く目を覚まして…。


一人は嫌だよ…。


「観月さん少し眠りなさい。
ずっと寝てないでしょ?
気持ちはわかるけど…」


「観月さん!!…緒方さんが!!」


突然.駆け込むように看護士さんが入って来た。


「どうしたの!?そんな大きな声で…他の患者さんに迷惑でしょ!!」


「すみません!!でも緒方さんが…緒方さんが目を覚まして…楓って観月さんの名前を何度も呼んでるんです!!」


「本当なの!?観月さん!!緒方さんの意識が戻ったって!!…良かったわね!!早く行ってあげましょ!!」


斗侑真が…斗侑真が目を覚ました…。


「斗侑真…。良かった…。私の元に帰って来てくれた…。」


私はそっとお腹に手を当てた。


「良かったね…。パパが…目を覚ましたって…一緒にパパに会いに行こうね…。」


涙で前が見えなかった…。


斗侑真が私を呼んでいる。


斗侑真が私を待っている。


早く行ってあげなきゃ…。


溢れる涙を拭いながら私はお腹の赤ちゃんと共に斗侑真の元へと急いだ。


斗侑真…貴方に知らせたい事があるんだ…。


きっと喜んでくれるよね?