振り返るとお袋が笑って言った。


「目を覚ますと嬉しい知らせが待ってるわ。
斗侑真…良かったわね。
おめでとう…。さぁ早く帰りなさい。楓ちゃんが待ってるわ。もう振り返ってはダメよ。じゃあね…。」


そう言ってお袋は光りの射す扉の中に消えて行く…。


最後に見たお袋の顔はとても嬉しそうに笑っていた。


俺は前を向き楓の元に急いだ。


もう絶対に振り返らない。


俺の帰る場所は一つ。


楓…お前は不安な日々を過ごして居るんだろうな…。


ごめんな。


お前は俺が居ないとダメなんだよな?


ずっと一緒だって約束したもんな。


待ってて…今すぐに帰るから…。


真っ直ぐにお前の元に帰るから…。


楓…帰ったら一番にお前を抱きしめたい。


お前の温もりを感じたい。


楓…今.俺の側に可愛い天使が居るんだ。


俺を導くように手招きするんだ。


「パパこっちだよ。早く!!」


そして最後に言ったんだ。


「またすぐに会いに行くから待っててね。」


天使が導いてくれた扉を今.開けるよ。


この扉を開けるとお前に会える…。


今度こそ…二度と離れないから…。