お袋と出会った事で俺は死への道をさ迷っていた事に気付く。


俺はまだ死ぬわけにはいかない。生きなきゃいけないんだ。


楓を幸せにしてあげなくちゃいけないのに…。


ずっと楓を守ってあげなくちゃいけないのに…。


毎日微かに聞こえる楓の声と温もり。


その時には必ず羽を付けた天使が俺の側に舞い降りて来てこう言うんだ。


「パパ起きてママが待ってるよ。」


不思議な夢だった。


「斗侑真…もう二度と戻って来たらダメよ。」


「あぁ.分かってる。俺…楓と約束したんだ。もう二度と離れないって…帰らなくちゃ…。お袋…俺を産んでくれて有難う。お袋の子供に産まれてきて良かった。」


「斗侑真…。」


お袋の目には涙が光っていた。


「ずっと言いたかったんだ。
俺も自分の子供にそう言われるように頑張るよ。
楓と一緒に幸せな家庭作るから。安心して…。
じゃあ…もう行くよ。」


少し歩いた時…背中にお袋の声を聞いた。


「斗侑真…あなたの側に居る可愛い天使はあなたの小さい時とにそっくりよ…。」


「えっ。」