◆◆◆◆                      「斗侑真…目を覚まして…私を一人にしないで…。」


楓…?


楓が泣いている…。


俺の手には楓の温もりを感じる。


早く安心させてあげたい…思いばかりが先走る。


俺は明るい扉の前に立っていた。


入ろうとすると中から一人の女性が出て来た。


お袋…!?


「斗侑真…この中に入るのはまだまだ貴方には早過ぎるわ…。貴方には待っててくれる人が居るでしょ。」


「お袋…。」


「斗侑真…今.来た道に戻りなさい。真っ直ぐに愛する人の所に…。
お母さんが望んでいた通りに貴方にはこれからたくさんの幸せが待っているわ。」


「お袋…俺…お袋以外に初めて大事だと思える人と出会ったんだ。
色々な事があったけど…俺はその人と出会う為に生きてたんだって思える位に愛しいと思う。
お袋も知ってるだろ?楓って言うんだ…。」


「えぇ…。小さい頃から素直で可愛いお嬢さんだった。
斗侑真.これ以上.楓ちゃんに心配掛けたらダメよ。
私は貴方達の幸せを此処から見守っているから…さぁ早く帰ってあげなさい…。」


「うん…。」