次の日お昼から斗侑真との面会の許可が出た。


集中治療室の中で斗侑真が何台もの機械に囲まれながら目を閉じていた。


私はそっと斗侑真の手を握る。


その手を自分のお腹に当てた。


「斗侑真…目を覚まして…ここに私達の赤ちゃんが居るの…。
私達パパとママになるんだよ…。
二人でたくさんの愛情を注いであげるんでしょ?
………斗侑真…私は一人で生きていけない…。
ずっと…離さないって言ってくれたじゃない…。
目を開けて…お願いだから私を一人にしないで…。」


何の反応も示さない斗侑真に私はずっと話し掛ける。


お腹に斗侑真の手から伝わる温もりを感じた。


生きてる…。
斗侑真もお腹の中の赤ちゃんも必死に生きようとしている。


「観月さん…今日はもうおやすみになった方がよろしいですよ。
緒方さんの方も今の所は安定しています。
また明日会いに来てあげて下さい。」


「もう少しだけ…側に居させて下さい。」


「観月さんお気持ちは分かります。しかし昨日もお伝えした通り貴方のお腹には赤ちゃんが居るんですよ。
無理は赤ちゃんの為にも良くありません。
緒方さんの意識が戻りましたらすぐにお知らせしますから…。」