「斗侑真!!嫌だ!!嫌ーっ!!!」


警備の人達やフロントのスタッフが騒ぎに気付いて私の体から斗侑真を離す。


「嫌っ…。斗侑真…連れて行かないで!!」


「観月!!ひどい血よ!!病院に行かなきゃ!!」


「斗侑真を連れ行かないで!!斗侑真は大丈夫なの!?」


「観月!!緒方も病院に運ばれるの!!しっかりしなさい!!」


三浦主任が抱き締めてくれる。横にはご主人の三浦さんも居た。


「観月君!!大丈夫か!!」


三浦さんの手はしっかりと三浦主任の肩を抱いていた。


絢も泣きながら抱き付いてくる。


「楓!!痛かったでしょ!!
かわいそうに…!!」


私の体が担架に乗せられる。


「こちらの女性も先程運ばれた男性と一緒の総合病院に搬送致します。
付き添いの方は一緒に乗って下さい。」


救急隊員の人の言葉を聞いて私の意識が再び遠のいて行く。


斗侑真と同じ病院…。


斗侑真の近くに行ける…。


会いたい…会いたい。


斗侑真…早く私を抱き締めて…。


いつもみたいに髪を撫でながら私を抱き締めてよ…。


斗侑真…斗侑真…。