私がバカだったんだ…。


三浦主任の言葉が頭を過ぎる。


「篠崎は観月が太刀打ち出来る相手じゃないわ。」


騙された…今は笑顔の裏にあった鬼のような形相で私を睨んでいた。


「観月?…緒方っ!!篠崎ナイフ持ってる!!観月が!!」


「楓!!…テメェ何してんだよ!!楓!!大丈夫か!!」


斗侑真が抱き抱えてくれる…私はシヨックの余り意識が遠のいて行きそうになる…。


「こんな女のどこがいいのよ!!
あんたさえ居なければ緒方は私の物なのに!!
殺してやる!!あんたなんか死ねばいいのよ!!」

そう喚きながら狂ったように再び私に襲い掛かって来た。


「止めろ!!」


私を守る為に斗侑真が私に覆いかぶさってくる。


三井さんの怒鳴り声と絢と三浦主任の悲鳴が聞こえた…。


一瞬の出来事だった。


「緒方!!…キャーッ!!」


「お前!!何してんだ!!…緒方主任!!」」


次の瞬間.斗侑真の体の重みを感じた。


「斗侑真…?どうしたの…?斗侑真!!」


「大丈夫…だ。楓は…絶対に俺が守るか…ら…。」


周りの人達の悲鳴と
「人が刺された!!救急車呼べ!!女を押さえろ!!」と言う誰かの怒鳴り声。


斗侑真が…刺された?


斗侑真が…?