体が拒否反応を起こして斗侑真の背中にしがみついてしまう…。


「私からの花は受け取れない?
前はごめんなさい…。本当に悪いと思ってるの。
お祝いの気持ちなの…受け取ってくれない?」


信じられなかった。
本当に優しい笑顔で私に花束を差し出してくる。
私達の勘違いだったの?
そう思わせる位に前とは別人だった。


「いらねぇよ!!お前に祝ってもらわなくても俺達は充分幸せだから…消えろ!!」


斗侑真が冷たく言い放つ。


篠崎さんの目から涙が溢れ出ていた。


この人は本当に斗侑真の事が好きなんだ…。


私とこの人は同じ男の人を愛してる。


好きで仕方ない人が自分以外の人と結婚する…この人はその悲しい現実を祝福してくれている。


私が反対の立場だったら…そんな事が出来るだろうか?


そんな事を考えると素直に受け取ろうと思った。


「ありがとう…ございます。」


私は斗侑真の前に出て花を受け取った。


「おめでとう…。幸せにね。」


篠崎さんからのお祝いの言葉と共に手首に鋭い痛みを感じた。


「えっ…。」


「チッ!!」


私の耳に篠崎さんの舌打ちが聞こえた。